ゴミ屋敷対策のマル秘テクニック

紙おむつは名前に「紙」がついてはいるが、尿などをよく吸収するための高分子材料が全体の40%ほどを占めるから、正しくは「紙・プラスチックおむつ」と呼ぶべきだろう。昔は古着利用の布おむつを何度も洗って使ったものだが、昨今は、わずかな「布おむつ派」を除いて、たいていの家が紙おむつを使う。
紙おむつと布おむつは、どちらが環境にやさしいのか?私の試算によると、紙おむつのほうが4.5倍ほど環境負荷が大きいうえ、処理費が2倍もかかってしまう。また紙おむつは、病院や養護施設でもやっかいなごみ問題を生んでいる。

割り箸も昔ながらの使い捨て商品だ。かつて「割り箸論争」というものが起き、使い捨てだから資源の無駄づかいだという派と、間伐材でつくるから資源の有効利用になり、森林保全にも役立っているという派が争った。
割り箸の年間消費量は、1992年に全国でおよそ250億膳だった。2003年の数字でも、約250億膳(国民ひとり200膳)は変わっていない。
そのほとんどが、おもに中国からの輸入品で、輸入の割合は、92年ごろの73%が2003年には97%にもなっている。こんな数値をみると少なくとも日本の森林保護にはほとんど役立っていない。
京都市の「家庭ごみ細組成調査」でも大量の割り箸が出る。テイクアウトが広まったし、コンビニなどで食品を買ったらほぼ自動的に割り箸がついてくるからである。
日本人は食事のたびに木(緑)を使い捨てている、と海外から来た人によく批判される。このライフスタイルは、文化のちがいというだけではすまされない問題だろう。
私は、森林保護のためというより、レジ袋と同じく、その気になれば発生抑制できる廃棄物だという面に注目し、「マイ箸」持参主義を貫いている。広告の紙広告の紙類を使い捨て商品とみるのが正しいかどうかは別にして、ごみの中では相変わらずPR用の紙が多い。
不景気で落ち込んだといわれる広告業界だが、それでも年間6兆円(1997年)の市場を誇る。大半はテレビや新聞の広告だけれど、ダイレクトメールや折り込み広告も年間それぞれ3000億円、4000億円の市場だ。
そのことはごみの中身を見てもわかる。紙ごみの中に占める折り込み広告とダイレクトメールは無視できないし。

しかも年々増加傾向にある。脱墨技術が発達したとはいえ、けばけばしいカラー印刷の広告紙は、リサイクル面でやっかいな存在だということに変わりはない。
広告は消費者の購買意欲をあおる。その商品もいずれごみになるし、広告自体もごみになるから、「ごみをますます増やすごみ」だといえようか。
ライフスタイルの実態をよく物語るもののひとつが、食品ごみ(いわゆる生ごみ)だろう。いま日本は飽食の時代だという。
なるほど、料亭やホテルのパーティーでは食べ残しがたくさん出るし、ファストフード店やスーパーは賞味期限の切れた食品をどんどん捨て、テレビではグルメ番組が花盛り……と、「まさに飽食時代だなあ」と実感させる話は多い。しかし、こうした切れ切れの情報だけでは、なかなか飽食の実状をつかみにくい」。
とりわけ、一般家庭の「飽食状態」をきちんと伝えるデータがたいへん少なかった。一般家庭の台所ごみの実態と食料関連の統計をもとに、この国の「飽食度合い」を眺める。
家庭の飽食の実態に迫るには、台所ごみの中身を詳しく調べるのがいいと考えた。京都市の「家庭ごみ細組成調査」でも台所ごみは調べるけれど、「厨芥」という一項目として扱うだけで、中身にメスを入れることまではしない。
なにしろ厨芥は、水気たっぷりの調理くずや残飯などをまぜこぜでビニールの小袋に入れた「グチャッ」としたものだから、よほどの酔狂でないかぎり、さらに分けてみたいなどとは思わないからだ。ごみ袋から手つかず食品が続々と見つかる。
だが私は、環境局の「細組成調査」に便乗し、あえて厨芥を徹底的に調べてみた。細組成調査には人手がずいぶんかかるため、学生アルバイトを募集する。

応募してくるのは山岳部や探検部など、少しくらい汚い仕事も平気な学生さんが多いのだが、さすがに台所ごみの仕分けだけは敬遠ぎみ。とにかく汚いし、臭い!手を出すにはそうとうの覚悟がいる。
そこで、わが研究室の精鋭部隊の出番となる。日ごろ廃棄物を研究しているだけに余裕があり、「このりんごの皮、やけに厚いなあ。
ナイフの使いかたを知らないんじゃないか?」「いや、近ごろは残留農薬を嫌ってわざと厚く切る人もいるらしいよ」などとワイワイ言いながら、決まった項目に手早く分けてくれる。言い出しっぺの私も責任上、この3K(汚い、臭い、根気がいる)分析につき合うのはいうまでもない。
世にもまれなこの調査は、毎年はしんどいので5年に一度だけする。その対象は、京都市内の決まった住宅地域から出る家庭ごみ100袋(約50世帯)。
細かい野菜くずとごはん粒が混在した塊は「調理くず」なのか「食べ残し」なのか区別しにくいため、分析の精度にはやや問題がありそうだが、少なくとも厨芥の38%は「食べ残し」だという結論になった。台所ごみのうち食品だけにかぎれば、本来おなかに入るべき食物が半分近くを占めているわけ。
なんと、まったく手をつけていない食品が2%もあった。買ってきたままの姿でごみに出したものである。
これはもう、「飽食」というより「放食」というべきか。手つかずの食品ごみをさらに分類した。
野菜・果物はおろか、調理食品や加工食品類もパックのまま捨てている。手軽に手に入ったものは手軽に捨ててしまうのだろう。

まだ食べられそうなものも、賞味期限が来たら捨てることはある。これまた驚くべきことに、賞味期限内のごみが62%になった。
戦後の食料難を知っている私は、ただただ仰天するのみ。1981年と比べて92年の食べ残し率は上がっている。
バブル経済のはじけた2002年でも、食べ残しや手つかずの食品をごみに出す率は高いままだ。なぜこのように食べ残しが多いのかを、食料統計から検証してみよう。
食料統計には、農林水産省が出す「食料需給表」と、厚生労働省の「国民栄養調査」がある。国民ひとりにどれだけ食料が供給されているかを、後者は国民ひとりが実際にどれだけ食べたかを教えてくれるから、その差が食べ残し量に結びつく。
いちばん新しい2000年の統計値でその差を当たってみよう。食料の供給量と摂取量を熱量(カロリー)に換算する。
こうした熱量の収支をもとに計算した結果、わが国はじつに35%以上もの食料供給過剰になっているとわかる。そのことを、統計数字のある時代にかぎってふり返ろう。
供給と摂取の差は、1955年ごろはほんのわずかだったのに、年々広がってきた。摂取量は、戦後の食料難時代から供給量に合わせて増えたが、最近はダイエット志向が進み、平均的な「所要量」に近づいている。
かたや供給量のほうは依然として増加の一途だから、差が開いたことになる。ファストフード店やコンビニの食品ごみ台所ごみに続くターゲットとして、ファストフード店やコンビニの食品ごみを調べてみる。
ファストフード店の食品は新鮮さが命だから、調製後20分以上たったものは捨てるという。また、ファストフード店には使い捨て食器がつきものだ。


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